真更川の百万遍。
わりと近所に住んでおりながら、初体験です。
はじめ、場所もよく分からず、
なんとなく道草で、港へ。
船小屋見物。
おぉ、2階があるタイプ。
強風のためか、お供えはロープでがちがちに。
今回は、
華氏に便乗させていただきました。
関岬、近いなぁ。
いい具合に擦り切れた座布団。
ガラス箱。
随分と久しぶりの真更川漁港を後にし、
目的地へ。
近付くにつれ聞こえる「キャー!」とか「イエェー!」とか、熱狂的な叫び声!?
こ、これって、僕たち部外者が入って良いんだろうか。
羽交い締めにされて、身ぐるみはがされて、恥ずかしいことされた挙げ句に、雪の上へ放り出されたりするんじゃ・・・
妄想が、悪い方へと暴走してゆきます。
あれ?
なんだか、淡々と回ってらっしゃる。
外で聞いた叫び声は、なんだったのか。
巨大な数珠を手に、人々はぐるぐると回り続けます。
中央に座す数取役も、木札を右へ左へ、静かに周回を記録しています。
静かに、ただただ、淡々と。
お茶飲んだり。
ゆるゆると。
大数珠のところどころにある親玉(呼び方は正確かどうか分かりません)。
これが自分のところへ来ると、軽く拝みます。
のんびりとした雰囲気に、気が緩みはじめた頃、
突如、異変。
リズム隊のバアらちが、テンポを上げました。
太鼓を、鐘を、激しく打ち鳴らしています。
それに呼応して、数珠班もペースアップ!!
駆け出すと同時に「キャー!」だの「イエェー!」だの、響き渡る叫び声。
さっきのは、これだったのか!
ちなみに、笑顔で駆ける姉妹のような2人は、地域おこし協力隊の木野本さんと中村さん。
きゃっきゃ言うて走っております。
「やめぇっちゃー!」
と、声のする方を見ると、後の人から、緩んだ数珠を体に巻き付けられていました。
いたずらなのかな。
テンポアップは、けっこう長いこと続きました。
バアらちの体力の方が、心配になってきます。
走る、走る。
回る、回る。
また、ちょっかい出されて巻かれとる。
でも、巻く方も巻かれる方も、
すごく楽しそう。
規定の時間が過ぎたのか、リズム隊の体力の限界なのか、
ゆるゆるペースに戻りました。
美女と数珠。
数取役の動きを、しばらくじっと見ていたのですが、
カウントの仕方については、理解することができませんでした。
壁には、過去の百万遍の写真が、大きく飾られてありました。
美女と数珠2。
僕たちが訪れたのは、10時半頃。
9時頃から始まっていたようです。
11時半頃に休憩となり、また午後も、夕方まで続くのだとか。
ときおりペースアップしながら、たまにリズムを整えながら、百万遍はつづきます。
あの鐘を鳴らすのはバア。
親玉さん。
数取役の木札。
それぞれに、一万遍、十万遍などと書かれてあります。
数珠のひとつひとつに、文字が刻まれているようですが、
長年かけて磨り減っており、一見して文字とは分かりませんでした。
数珠全体で30kgほどあるそうです。
こちらの親玉、はっきりと文字が見えます。
しかし、意味はよく分かりません。
「南」の文字。おそらく「南無」。
200年以上かけて、毎年の百万遍。どれだけ数えて来たのやら。
ほんの少し、本当に少しだけお手伝いしただけで、ご馳走をいただくのは心苦しいのですが、
しかし、この湯気。
気がつけば、お呼ばれしておりました。
なんという、ごっつぉ。
アワビの絨毯。タイやヒラメが舞い踊る隙間もありません。
そして、この大根。
厚切りでいて、しっかりと中まで味が染みている。
角煮に負けない、皿の主役でした。
いごねり。ゴマ和え。
何かで和えてあると、特別というか、祭げぇに感じます。
おつゆも美味い。沁みる。
ご飯は2種類。炊き込みご飯と、
栗おこわ。
おかわりして、どちらもいただきました。
刺身も美味しい。日本酒飲みたい・・・
食べっぷりが良かったせいか、僕たちのテーブルに料理が集まってきます。
たくさんおかわりしました。どの料理も素晴らしく美味しかったです。
ごちそうさまでした。
公民館の窓から、
子どもの頃、学校の窓から見た風景が、そこに広がっているようでした。
帰り道、跳坂から。
今回、さわりだけの体験でしたが、
できることなら来年は、がっつり関わってみたいです。